滋賀県内の森林から伐採された木材の中には「びわ湖材」と呼ばれるものがあるそう。
「びわ湖」なのに、木材?
「びわ湖材」って、私たちの暮らしにどうつながるの?
そんな疑問を解決するため、「びわ湖材」を使った新施設ができたという龍谷大学に、取材に行ってきました。
大津市の龍谷大学瀬田キャンパスに、県内産の木材「びわ湖材」を使ったウッドデッキや学生向けの教育研究用一時休憩施設が完成し、2024年7月4日にオープニングセレモニーが開かれました。
「びわ湖材」とは、滋賀県内の森林から伐採された木材で、認定された事業者を流通して供給される、合法性が確認できる木材のこと。産地が証明された身近な木材といえます。
龍谷大学のウッドデッキには、高島市朽木の樹齢100年の杉が使われています。瀬田キャンパスの学生や教職員らは木を切り倒すところから、製材所での加工、キャンパスの工事で木材が使用されるまでの一連の流れを体験し、びわ湖材の学びを深めたそうです。
同日にお披露目された教育研究用一時休憩施設にも、びわ湖材が使われていて、施設全体に木の香りが漂っています。
「施設を使うことで、木材ならではの居心地の良さや木の美しさなどを肌で感じてほしい。そして、その背景にある山や自然にまで意識を向けてくれたら嬉しい」と滋賀県びわ湖材流通推進課の西井さんは話していました。
「滋賀ダイハツアリーナ」の体育館の床や守山市役所の新庁舎など、県内各地の施設でもびわ湖材は使われています。びわ湖材を使った木のおもちゃや名刺などもあるんですよ。
普段気にしていなくても、滋賀で生活していると意外に身の回りに「びわ湖材」があふれているんですね。
木は「伐(き)って、使って、植えて、育てる」、循環できる地域資源。ただ、現代は木材を使う場面が減っています。
木を使うことが滋賀の森林を守り、琵琶湖を守ることにもつながります。
びわ湖材を取り扱えるのは、びわ湖材認定事業体に認定された製材業者、木材業者のみとなっています。びわ湖材をもっと知りたい場合は、以下のサイトを参考にしてみてください。
(文・福本明子/撮影・山中隆史・赤井悠大/動画編集・大塚慎也)