文化・スポーツ

【2025年新春インタビュー】する人も、みる人も、支える人もスポーツで楽しく盛り上がる年に!

2025年01月01日

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新春インタビュー集合写真

今年、開催される「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」。
三日月知事、益子直美さん、福永凌太さんに、スポーツの楽しさや魅力、地域との関わり方について語っていただきました。

滋賀県知事 三日月大造

三日月大造知事
滋賀県知事

日本スポーツ協会副会長
日本スポーツ少年団本部長
益子 直美さん

益子 直美さん
日本スポーツ協会副会長
日本スポーツ少年団本部長
タレント・スポーツキャスター、元バレーボール選手
TVアニメ『アタックNo.1』に憧れて、中学校でバレーボールをはじめ、全国区で活躍。現在は国スポを主催する「日本スポーツ協会」副会長、「監督が怒ってはいけない大会」の代表も務める。

パリ2024パラリンピック
陸上男子400m(T13)銀メダリスト
福永 凌太さん

福永 凌太さん
パリ2024パラリンピック
陸上男子400m(T13)銀メダリスト
日本体育大学大学院所属
滋賀県野洲市出身。難病である錐体ジストロフィーによって視力が低下。両親に勧められて陸上競技を始めた。パリ2024パラリンピック男子400m(T13)で銀メダルを獲得。次の目標は2028年ロサンゼルスパラリンピックへの出場。

体育大会からスポーツ大会へ※
大人も子どももみんな楽しく

※「国体」の愛称で根付いてきた「国民体育大会」は、2024年から「国民スポーツ大会」(略称:国スポ)へと名称が変わりました。

知事 今年は、10年以上かけて準備を進めている「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」が開かれる、滋賀県にとって非常に大事なスポーツイヤーです。滋賀県としては昭和56年に続く2回目の開催ですが、全国から来られるアスリートの皆さんに日頃の成果を存分に発揮していただける環境作りに万全を期していきたいと思っています。同時に、スポーツを通して、関わるすべての方の人生を豊かにしたり、街を元気にすることができればと願っています。

益子 私は引退して三十数年経つのですが、現役時代はスポーツを楽しむという感覚がありませんでした。勝利至上主義というか、遠征に出ても体育館と宿舎だけを往復する生活を何十年も続けてしまって、地域の皆さんとのつながりもほとんどなく…。偏ったスポーツをしてきてしまったという後悔と、子どもたちにスポーツを楽しんで欲しいという思いを込めて、「監督が怒ってはいけない大会」を設立しました。この活動では、危険なことや間違ったことをした時はきちんと怒る一方、試合中のミスはチャレンジの結果と捉えて怒ってはいけないルールを設けています。節目となる10年を迎えてわかってきたのは、大人たちが楽しんでいると子どもたちも楽しめる。安全安心だと思える環境が作れるということです。これがまさに体育大会からスポーツ大会という名称に変わった意義でもあり、さらに楽しめる環境になったと喜んでいます。

見る側も参加する?
日本と海外で違う観戦スタイル

福永 昨夏にパリで開かれたパラリンピックに出場した際は、あまり連絡を取っていなかった友達から「見たよ」と言われたり、知らない方から「おめでとう」という言葉をもらえたり。世界陸上競技選手権大会とはまた違う注目度でした。現地の盛り上がり方もすごくて、僕のように地縁のない選手が紹介される時も大きな声援を送ってくれました。観客がスポーツの楽しみ方を知っている、同時に運営側も楽しませ方を知っていると感じました。でも、それをパラリンピックという特別な舞台だからと終わらせるのではなく、今後、僕自身の価値をしっかり高めてファンに試合を観に来てもらえる存在になっていかなければとも思いました。

知事 試合の観客数は多かったですか。

福永 僕のレースは朝イチの時間帯でめちゃくちゃ雨が降っていたのですが、濡れてしまうエリアを除いて観客席は3階まで埋まっていました。その時、歓声の圧というものが存在することを体感しましたし、最終日に参加した閉会式も超満員でびっくりしました。

知事 応援を受けた時は気持ち良かった?

福永 ライブをするアーティストの気持ちが分かりました。

知事 ライブ経験、お持ちなんですか?

福永 ないです! あくまで気持ちです!

益子 確かに欧米は応援の仕方が違うんですよ。現役時代、南米で試合をした時、私たちのチームが強すぎたのか、観客が「1セットぐらい取らせてくれよ」と審判にコインを投げたんです。ユーモアがありますよね。日本のファンは行儀が良いので絶対そういうことはないですが、海外では見る側も参加しているという印象を持ちました。国スポ・障スポに関しても、自分たちが作るイベントなんだという意識で盛り上がることを期待しています。

知事 昨年に開かれた佐賀大会でも開会式の入場行進がすごくフランクで、楽しめる環境作りがされていました。応援にもスティックバルーンを使って、エールを交換し合う雰囲気になっていましたね。

福永 僕は、棒高跳びをやっていた高校時代に和歌山県と岩手県で開かれた国体に出ました。当時は、視力への不安もあって少し神経質になっていたので、応援に戸惑う気持ちもあった気がします。でも、今は応援で会場を盛り上げてくださることを嬉しく思います。

知事 会場はもちろんですが、滋賀県に来られると同時にスポーツのワクワク感を感じていただけるような空間も創っていきたいと考えています。

滋賀ならではの「おもてなし」
地域住民との交流も

新春対談
国スポ・障スポ

益子 先ほど、選手時代は楽しめなかったと言いましたが、高校生の時に出場した国体で民泊を経験したことはとても良い思い出になっています。ホストファミリーの皆さんと一緒にご飯を食べたり、東京選抜チームとして出場したので、いつもとは違う指導者の価値観を知る良い機会になったことも記憶に残っています。準優勝だったのですごく怒られましたが。(笑)

知事 昨年の佐賀大会では、唐津のイカや伊万里の梨など、地域の特産物を振る舞ってくださる場面もありました。滋賀大会でもそんなおもてなしを含めた交流を大事にしたいと思っています。

福永 地元では開催に向けて十年も前から準備が始まっているという事を今日初めて知りました。参加するアスリートだけでなく、地元の方にも楽しんでいただけると嬉しいですね。

滋賀らしい国スポ・障スポ
環境にも配慮を

益子 国スポ・障スポを主催する側の立場から言わせていただくとナイトゲームなど、これまでにない試みで注目された佐賀大会の後ということでプレッシャーも少しはあるかもしれませんが、そこはあまり気にせず、滋賀らしい温かい大会になれば良いと思っています。

知事 佐賀大会の後を引き継いで、スポーツを楽しむ感覚や式典のあり方はアスリートファーストを守りつつ、チャレンジもしたいと思っています。滋賀らしくという点では、琵琶湖が真ん中にあり、環境に配慮しながら生きている滋賀県民として目指すのは持続可能な大会。マザーレイクゴールズ(Mother Lake Goals, MLGs)宣言も行いながら運営を進めていきます。また、コロナで1年延期されたため、参加が叶わなかったジュニア世代の存在もあります。その方たちの思いも背負って、参加できる喜びを感じられる取組も心がけます。

益子 オリンピック・パラリンピックのパリ大会もエコな取組が多く見られました。砂浜が無くなったり、雪が降らなくなったり、環境問題が競技の存続に関わると危機感を持つアスリートは増えています。

知事 プラスチックゴミを減らすため、ウォーターサーバーを用意してマイボトルを持参していただくとか、お弁当の素材にも配慮するなどの工夫を予定。メーカーさんにもご協力いただいてベストな方法を探っています。

国スポ・障スポの醍醐味とは

福永 地域の代表として全国大会に出られるのは、選手としてとても光栄なこと。また、陸上競技に関して言うと、学校が違えばどころか、種目が違うと交流を持つことはほぼ無いのですが、国体で仲良くなり、常に連絡を取っている人もいます。個人的には、同じ滋賀県出身の短距離選手である桐生祥秀さんに会えたことも刺激になりました。普通の大学生のように話をされているのを聞いて身近に感じることができました。

知事 アスリート間の交流は、競技力の向上にも繋がるでしょうし、競技場で有名な選手を案内することはボランティアの方の励みや良い思い出にもなるようです。子どもたちにとっても一流の選手の様子を間近で見ることは勉強になりますよね。大会が終わった後に、スポーツを見ることや支えることのワクワク感がレガシーとして残ることも重要。その楽しい気持ちをびわ湖マラソンや令和8年度に滋賀県で開催予定のインターハイに繋げて、スポーツの力ですべての人が元気になるためのきっかけづくりにしたいと思っています。

新春メッセージ

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