スポーツコメンテーター
元アーティスティックスイミング日本代表
青木 愛さん
元アーティスティックスイミング日本代表の青木愛さんは、山登り番組への出演経験も豊富。現在は登山の魅力を様々な企画を通じて発信しています。
今回は滋賀の「山旅」として、学生時代を過ごした思い出深い比良山系の登山ルート「比良比叡トレイル」をリポートいただきました。
登山口まで、電車・バス・ロープウェイで!
初心者も楽しめる、比良比叡トレイル
山々に囲まれた自然が豊かな滋賀県。琵琶湖西岸に連なる比良山地は人里から近く、登山口まで電車・バス・ロープウェイなどを利用して行ける、アクセスの良い山です。比良比叡トレイルは、比良山系を縦走する登山ルートです。
今回はリポーターの青木愛さんに初心者でもチャレンジしやすい、延暦寺エリアと蓬莱山エリアを体験いただきました。延暦寺エリアは、比良比叡トレイル協議会・事務局長の山本信一さんのガイドで、日本仏教の聖地である比叡山延暦寺の玄関口である文殊楼からスタートしました。
延暦寺エリアは、東塔・西塔・横川のエリアを楽しむルートで、根本中堂から西塔の釈迦堂を通り、横川中堂を目指す約6kmの道のりです。参道も兼ねているため、他の登山ルートと比べても歩き易く、参拝しながらゆっくりと進めます。ユネスコ世界文化遺産に登録されている比叡山は天台宗の聖地であり、1200年の歴史を感じることができます。
近場の低山でも油断は大敵
登山届けを提出しましょう
最近では近場の低山に日帰りで訪れる登山客が増えている一方で、道迷い・滑落事故・低体温症などによる遭難事故も身近で発生しています。山本さんは「低い山であっても、ベテランであってもトラブルに遭うことがあるので、山登りに適した服装で、油断をせず計画を立てて挑むことが大切です」と話しました。
登山届け(登山計画書)は、登山口付近に設置された登山届けポストや、インターネットなどからも提出できます。滋賀県では安全登山を啓発すると同時に、滋賀の山の魅力を発信するリーフレット「滋賀県の山マップ&チェックブック」を配布しています。
休憩場所は事前にチェック!
無理なく、楽しく、安全に
比良比叡トレイルは、登山だけでなく歴史文化も学べる人気の登山ルートで、多くの学生も教育旅行で訪れています。また延暦寺エリアの道のりには、峰道レストランなどの休憩所もあります。登山中は水分補給が大切ですが、山道にはトイレが無いので計画を立てて、無理をしない登山を楽しみましょう。
天空では、自然の大パノラマが!
琵琶湖を望む山頂からの眺め
蓬莱山から権現山まで約3kmで所要時間が約1時間半ぐらいの登山ルートがあります。蓬莱山では、琵琶湖の雄大な景色が目に飛び込んできます。こちらは、比良比叡トレイル協議会の澤山惠さんにガイドをお願いしました。蓬莱山は標高1,174mもあり日本三百名山の一つ。琵琶湖に見惚れてしまいがちなので、足元への注意が必要です。また短いルートでも、登山では食べ物・飲み物・虫除け・雨具などを備えましょう。
登山道は一本道が多いので上りを優先に、登山者同士の譲り合いのルールを心掛けます。澤山さんは「山での怪我は下りが多ので、下りこそ慎重にゆっくり進みましょう」と呼びかけました。さらに登山ルートの途中では分岐も現れますが、無理なチャレンジは危険が伴うのでやめましょう。
登山者としてのマナーを守り
美しい自然を守りましょう
登山では自然に還らないゴミは持ち帰るように注意しましょう。また山は風が吹き抜けるので、焚き火をすると火が周りの草木に引火する恐れがあります。焚き火は山火事に繋がる危険があるのでやめましょう。
蓬莱山のルートは視界を遮る木が少なく、雄大な景色のパノラマが楽しめます。青木さんは「琵琶湖の形がくっきり見える。この美しい自然を守り、自然に感謝して、マナーを守って楽しく安全に登山することが大事ですね」と話しました。
登山を終えた青木さんは比良比叡トレイルの登山道の麓にある、雄琴温泉を訪れました。おごと温泉観光公園では、誰でも無料で足湯を利用できます。
青木さんは「山からの眺望は別格でした!こうした景色を見ながら歩くのは、やっぱり最高ですね」と足湯で疲れを癒やしました。
比良比叡トレイルは、坂本から朽木までのルートで約50kmあり、全てを制覇するには五日ほどかかります。比良比叡トレイル協議会が発刊する「比良比叡トレイルマップ」は協議会の公式ホームページからも購入できます。滋賀県は四方を山に囲まれ、初心者から経験者まで楽しめる山も多くあります。みなさんも自分にあった「滋賀の山旅」に出かけてみてはいかがでしょう。