現在、世界各地で紛争や武力侵攻によって、多くの人々の生命が脅かされています。戦争は遠い世界のことではありません。80年近く前、滋賀の人々も戦争を体験しました。終戦記念日を迎える夏、平和と人権の大切さについて改めて考えてみましょう。
戦争は最大の人権侵害
戦争は、人の生命・自由を奪う「最大の人権侵害」です。戦争を二度と引き起こさないためには、戦争を知らない世代が戦争の記憶に触れ、平和や人権について考える機会を持つことが大切です。
薄れていく戦争の記憶を語り継ぐ場として、2012年に「滋賀県平和祈念館」が設立されました。戦時下の人々の暮らしと思いに触れ、平和についてみんなでぜひ話し合ってみてください。
戦争にまつわる「モノと記憶」平和について考えるきっかけに
戦争体験を語り継ぐ
80年近く前の戦時下、滋賀県にも空襲があったことはあまり知られていません。県内に軍需工場や飛行場があったことを知る人も少なくなっています。
日々薄れていく県民の戦争体験を語り継ぎ、平和について考える拠点とするため、平和祈念館は開館しました。
当館では「地域の記憶」にこだわり、戦争体験者からの聞き取り調査を行って、体験談をビデオ映像や展示で紹介しています。守山空襲をはじめ、地元でも知られていない戦時下の歴史を掘り起こし、聞き取り調査をして記録として残す活動も行っています。
当時の衣類や生活用品などモノの資料には、個人のエピソードやストーリー、戦時中の社会背景を交えて説明するなど、当時の人々の「思い」が伝わるように工夫しています。
例えば、一見すると軍国主義的な言葉が並ぶ手紙も、検閲があった事情を知ることで、家族の無事を祈る豊かな内面が読み取れるのです。
戦争と平和を考える
人の生命、自由に生きる人権を脅かす戦争がなぜ起きるのか。平和に過ごすにはどうすればいいのか。子どもから大人まで、戦争と平和について考えるきっかけになる展示や体験型プログラムなどを用意しています。
体験談や資料、過去の企画展をデータベース化し、今年3月からウェブ上でいつでもどこでも見られます。
関心を引くことがあれば、ぜひ当館でじっくり実物を見ていただきたいと思います。
語りつぐ 平和へのねがい
県民の戦争の体験談と、当時の衣服や召集令状など約5万点の資料を収蔵し、その価値を次の時代につないでいくことを目的に活動しています。
年3回程度の企画展示を中心に、戦時食体験や戦争体験者の語りなどを通して学ぶ、子ども向け体験型平和学習「平和の学校あかり」、映画の上映会などを開催。戦争体験の聞き取りや、地元でもあまり知られていない守山空襲などの調査活動も行っています。
今年3月からはネットで「バーチャル語り部・収蔵資料データベース」を公開しています。
開館時間 : 9時30分~ 17時(入館は16時30分まで)
所在地 : 東近江市下中野町431
TEL : 0749-46-0300
アクセス : ●名神高速道路「八日市IC」から車で約10分
●JR琵琶湖線(東海道線)彦根駅または近江八幡駅乗り換え、近江鉄道八日市駅からバスで約20分「愛東支所・診療所前」下車すぐ
休館日 : 月・火曜日(祝日の場合は開館)
※7月19日~8月27日は無休
※その他業務の都合により、臨時に休館する場合があります。
入館料 : 無料
駐車場 : 約50台(無料)
第33回企画展示「滋賀県民が見た中国の戦場」
◆会期 : 令和5年7月1日(土)~12月17日(日)
当時の中国やその周辺地域において、滋賀県民が体験した戦争に関する記憶を、滋賀県平和祈念館が長年にわたって収集してきた関係者の体験談や関連資料などで紹介します。
令和5年度 子ども向け体験型平和学習「平和の学校あかり」
小学6年生から中学3年生が対象となります。(ご家族一緒の参加も歓迎)
◆第5回 : 8月9日(水) 教えて戦争体験2「長崎に落とされた原爆」
◆第6回 : 8月19日(土) 絵本・アニメで学ぶ戦争
※事前申込(先着順)が必要となりますので、申込状況については当館までお問い合わせください。
平和祈念Week2023
◆期間 : 令和5年8月11日(金)~8月16日(水)
平和学習講座、映画上映会、ミニコンサートなど