7月は「なくそう就職差別 企業内公正採用・人権啓発推進月間」です。
「就労」は、自らの生活を支え、社会参加の基本となる活動であり、毎日の生活や人生をより豊かにすることができる重要な意義をもっています。
しかし、採用選考の面接などにおいて、応募者が企業から就職差別につながるおそれのある不適正な質問を受けるケースが発生しています。
●面接時の不適正な質問の例
●本人に責任のない事項
●本籍や帰省先はどこですか
●ご両親の出身地はどこですか
●家族の職業を教えてください
●自宅は○○駅のどちら側ですか
●本来自由であるべき事項
●信仰する宗教は何ですか
●尊敬する人は誰ですか
●その他
●結婚の予定はありますか
●なぜ進学しないのですか
●結婚、出産しても働き続けられますか
企業は、応募者の基本的人権を尊重し、本人の適性・能力に基づいた基準により採用選考を行うことが求められています。上記事項は、本人の適性・能力に関係のないものです。
本籍や出身地の把握は、特定の地域の出身者を不採用にするなどの差別につながるおそれがあります。また、本来自由であるべき思想・信条や宗教、人生観を採用選考の場に持ち込むことは、応募者の人権を侵害することになります。
企業側が、応募者の緊張を和らげるために答えやすい話題として聞いたことでも、把握したことが採否に影響を与え、結果的に就職差別につながるおそれがあります。
身元調査の実態
昭和50年(1975年)、全国の被差別部落の所在地や職業などが記載された図書が企業に販売されていることが発覚し、大きな問題となりました。(部落地名総鑑事件)。企業の購入動機は、採用にあたって、応募者が被差別部落の出身かどうかを調べるためでした。
近年では、採用にあたって、企業が応募者のSNSなどから業務の目的の範囲外のものを含めた個人情報を収集しているという報道もあります。身元調査は、形を変えて現在も行われています。
企業への応募書類にも…
面接だけでなく、企業への応募書類も注意が必要です。履歴書については、公正な採用選考を確保する観点から厚生労働省により様式例が公表されていますが、企業が独自で作成した応募書類に就職差別につながるおそれのある項目(本籍地、親の職業など)が設けられていることがあります。近年はエントリーシートに不適正な項目が設けられていることがあります。
就職差別をなくすために
県と各市町では、毎年7月を「なくそう就職差別 企業内公正採用・人権啓発推進月間」とし、企業訪問や駅などでの街頭啓発などを行っています。
従業員数が一定以上の企業においては、事業所内公正採用選考・人権啓発担当者を選任し、公正な採用選考の実施や、部落差別(同和問題)をはじめとする様々な人権研修の実施など、企業自らが主体的に人権尊重の取組を進めています。
また、県や市町のほか、県内の企業で組織されている滋賀人権啓発企業連絡会においても、研修の実施や啓発資料の作成などの取組が行われています。
就職差別をなくすためには、こうした行政や企業の取組が不可欠ですが、一人ひとりが不適正な質問について認識し、「差別を許さない」という意識を持つことも大切です。
採用選考や就職差別に関わるご相談は、お近くのハローワークへ。
「ジンケンダーラジオ」放送中!
日々の暮らしの中で人権について考えていただくきっかけとなるよう、ラジオ番組を放送しています。ぜひお聴きください!
放送局:エフエム滋賀 e-radio LAKESIDE FM77.0
放送日時:毎週火曜日午前10時15分から5分程度
出演者:林智美さん(エフエム滋賀パーソナリティ)、滋賀県人権啓発キャラクター ジンケンダー
今月の放送予定
7月 2日(火) 就職と人権
7月 9日(火) 刑を終えた人の人権
7月16日(火) 新型コロナウイルス感染症と人権
7月23日(火) ハンセン病と人権
7月30日(火) エイズと人権
※放送から1週間以内は、「radiko」アプリで聴くことができます。
お問合せ:滋賀県人権施策推進課
TEL:077-528-3533
FAX:077-528-4852
E-mail:cf00@pref.shiga.lg.jp
■お問合せ:滋賀県商工政策課
■TEL:077-528-3711
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■E-mail:fa00@pref.shiga.lg.jp