最近の国際情勢を受けて、ヘイトスピーチの増加が心配されています。
この問題についての理解を深め、ヘイトスピーチを許さない社会をつくっていきましょう。
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ヘイトスピーチって?
ヘイトスピーチとは、特定の国の出身者であることまたはその子孫であることのみを理由に、日本社会から追い出そうとしたり、危害を加えたりしようとするなどの一方的な言動のことを言います。
みんなの意見は?
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ヘイトスピーチの例
①「○○人は出ていけ」など、特定の民族や国籍の人々を、合理的な理由なく、一律に排除・排斥することをあおり立てるもの
②特定の民族や国籍に属する人々に対して危害を加えようとするもの
③特定の国や地域の出身者を差別的な意味で虫や動物に例えるなど、著しく見下す内容のもの
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ヘイトスピーチはどこで行われているの?
ヘイトスピーチは街頭での行動や、インターネットやSNSの書き込みなど、一旦拡散すると簡単に削除することが難しい形でも行われています。
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ヘイトスピーチはなぜしてはいけないの?
ヘイトスピーチは人としての尊厳を傷つけたり、差別意識を生じさせることになりかねない、決して許されないです。そのため、平成28年にされた「ヘイトスピーチ解消法」では、国民がヘイトスピーチのない社会の実現に向けて努力しなければならないと定められています。
ヘイトスピーチなんて自分には関係ない?
ヘイトスピーチはなぜ許されないのか、未来に向けて必要なことは何か、様々な人権問題を長年研究されてきた坂元茂樹さんにうかがいました。
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神戸大学名誉教授・滋賀県人権施策推進審議会会長
坂元 茂樹(さかもと しげき)さん
(公財)人権教育啓発推進センター理事長、(公財)世界人権問題研究センター理事長、元大阪市ヘイトスピーチ審査会会長
「自分には関係ない」が新たな差別を生む
日本には民族差別や部落差別、ハンセン病差別、コロナ差別などの様々な差別問題があり、そうした特定の属性の人々に対するヘイトスピーチなどの人権侵害が発生しています。
また、インターネットなどで根拠が不明な感情論的意見が拡散されるなか、多数派が「自分には関係がない」と無自覚でいることで、無意識のうちに新たな差別が生まれる可能性もあります。
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ヘイトスピーチが許されない理由
ヘイトスピーチをする人の中には、「政治的な意見の表明であり、憲法が保障する表現の自由の行使だ」と主張する人がいます。しかし、少数派の人々の平穏に生活する権利、自由に活動する権利、名誉や信用を保有する権利など、基本的人権を侵害するヘイトスピーチは、表現の自由の範囲を超えるものです。
政治的に異なる意見だから、あるいは感情的に許せないからといって、個人の尊厳を傷つけたり、差別意識を生じさせる恐れがある行為は、許されるものではありません。
人は、どの国の国民として生まれるのか、どのような人種で生まれるのかを選んで生まれてくるわけではありません。自分に責任のない事実によって、差別されてはいけないのです。
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分断ではなく、互いを尊重し合う社会へ
私たちが目指す未来は「多文化共生社会」―お互いの価値観や生き方の相違を尊重し理解するという多様性が尊重される社会です。
ヘイトスピーチを許してしまうと、社会は排除や分断へと向かいます。
偏見や憎悪ではなく、理解と共感があふれる社会を実現するために、社会全体でヘイトスピーチを許さないように努力することが必要ではないでしょうか。