受け継がれる伝統技法でこだわりの音色を生み出す
滋賀県では平安文化を感じる伝統工芸が数多く存在しています。昔から東西の交通の要衝として人とものが行き交い、この利点を活かし先進的な産業や独自の文化が発展してきました。
その中でも長浜市木之本町の「丸三ハシモト」では、琴など邦楽器の絃を現在でも手作業で製作し伝統音楽を支えています。
長浜市木之本町は良質な生糸生産が行われ、楽器糸づくりが盛んに行われてきました。座繰生糸を小枠にとり、合糸(ごうし)をくり返し、伝統の「独楽撚り(こまより)」で撚りをかけ、餅糊で煮込み乾燥させて作ります。これらの工程は手作業で行われ、高度な技術が求められます。中でも冬の時期に生産される絹絃(きぬげん)は「寒の糸」と呼ばれて深い余韻と美しい音色を持ち、演奏家からも評価されています。
滋賀県の伝統工芸を通して、平安文化を感じる貴重な機会です。古代の風情や歴史を偲びながら、伝統技術と音色の魅力にふれてみてください。
▶滋賀県の伝統的工芸品について(滋賀県商工観光労働部モノづくり振興課HP)
https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/shigotosangyou/kigyou/20017.html