突然ですがみなさん、最近、琵琶湖大橋のまわりで渋滞が減っていると思いませんか?
守山から高島に向かう時、琵琶湖大橋を渡った先の道で渋滞にはまるのがいつもストレスだったのですが、今年の夏に通ったときは、とてもスムーズに高島に到着。
あれ?渋滞してない…?なにがあったんだ!? そんな疑問を滋賀県の職員さんにぶつけたところ、「その区間なら、滋賀県道路公社の管轄ですね。話を聞きに行ってみますか?」との提案が。
ということで、言われるがまま、滋賀県道路公社にお話を聞きに行ってみました!
渋滞解消には納得の理由があった!
琵琶湖の東と西を結ぶ「琵琶湖大橋」。1964年の完成当時、日本一長い1,350メートルの橋で、日本一大きな琵琶湖に日本一長い橋が架かりました。
琵琶湖大橋といえば、国内でもめずらしいメロディロード!守山方面に向かう新橋を法定速度で走ると、滋賀県民おなじみの「琵琶湖周航の歌」が車内に響きます。
この琵琶湖大橋を含む、県内の有料道路や幹線道路の維持管理や整備を行っているのが、大津市にある「滋賀県道路公社」です。道路整備課の本庄さんと中井さんに早速お話を伺ってみました。
最近、琵琶湖大橋のまわりの渋滞が急に減った気がするんですが、なにかあったのでしょうか。
「渋滞が減ったのは、この道ですね。琵琶湖大橋から湖西道路真野ICに至る国道477号」
そうです!前はこんな感じで渋滞がすごくて…
「現在この区間の道路は、拡幅工事によってすべて2車線から4車線になりました。2024年4月に供用を開始してから、以前のような渋滞はほとんど見られませんし、地元の方々からも『使いやすくなった!』と喜びのお言葉をいただいています」
なんと、そんな工事が行われていたとは!渋滞が減ったのは気のせいじゃなかったんですね。確かに工事後の写真を見ると、道が広くなってすごくスッキリしています。
「これは、まだ2車線の時に計測した国道477号を走る車の速度を表した図です。琵琶湖大橋交差点を先頭に、真野ICの入口付近まで断続的に速度が低下しています。特に17~18時台は時速20km前後で走っている車が増えて、渋滞区間が長くなっているのがわかりますね」
本当だ!というか7時〜19時ごろまで、車が走っている時間帯はほぼ渋滞してたんですね…スムーズに走れるとわかったら、これからは通るのが楽しみになります。
「こちらの工事は、安全性と利便性向上を目的とした『琵琶湖大橋有料道路第6期事業』として進められたものなんです」
「琵琶湖大橋有料道路第6期事業」での主な工事
①琵琶湖大橋本体の耐震対策
②取付道路(国道477号)の4車線化
③ETCの導入(2019年から運用開始済み)
守山市側の取付道路も4車線化されると、ますます東西の行き来が便利になりそうです!
災害時に県民を守る!琵琶湖大橋の耐震工事を実施中
せっかくなので、この「琵琶湖大橋有料道路第6期事業」について、もう少し詳しく聞いてみました。
「①琵琶湖大橋の耐震対策」とありますが、これも必要な工事なんですか?
「琵琶湖大橋は、上り車線として使われている新橋と、下り車線の旧橋の2本で構成されています。新橋は1994年、旧橋は1964年に供用を開始したので、人間に例えると新橋が30歳、旧橋は60歳になります」
琵琶湖大橋ができたのってそんなに前だったんですね。その後、大きな地震がいくつかあって、建物の耐震基準もアップデートされましたよね。
「そうなんです。琵琶湖大橋は災害時の緊急輸送道路にも指定されている重要な路線なので、大きな災害が起きても落橋しないよう、1997年から2003年にかけて耐震補強工事を進めてきました」
「第6期事業では、2011年に発生した東北地方太平洋沖地震クラスの地震に耐えられるよう、2027年の完成を目指して補強工事を進めていく予定です」
安心して渡れるように、そして万が一災害が起きても交通の確保と、支援物資が届くように、よろしくお願いします!琵琶湖大橋有料道路第6期事業の詳細については滋賀県道路公社のホームページで詳しく紹介されています。また、台風時などの琵琶湖大橋の通行規制状況についても同じサイト内で確認できますので、ぜひチェックしてみてください!
工事現場に潜入する動画を公開中!
ちなみに滋賀県では、YouTubeチャンネル「いなずまどぼっく」で、県内で行われた工事の様子や、現場で働く重機などを迫力満点の映像で紹介しています。
こちらの動画は、困難を極めた原松原線トンネル工事の様子を紹介したもの。普段見ることのないトンネルを掘り進める瞬間や、リアルな現場の様子を知ることができて、見ごたえがあります!
今回、「渋滞がなくなったのはどうして?」という疑問を掘り下げたら、思いがけない壮大な計画を知ることができました。私たちが当たり前に使っている道路は、こんな風に県民の安全や便利な暮らしを考えて計画されていたんですね!
みなさんも、気になる道路や工事中のルートなどがあれば、ぜひ注目してみてはいかがでしょう!
(取材・文・結城弘/編集・しがトコ編集部、林由佳里)