優雅な天守がそびえる彦根城はいかにして造られたのか? 築城当時の近江に思いをはせながら、城の専門家・中井均さんの解説で彦根城の魅力に触れてみましょう。
鉄壁の城づくりから近江の歴史に迫る!
彦根城(彦根市)
彦根城の築城が始まった1604年は、関ヶ原の合戦から4年、まだ徳川家康公と西国の武将の間に軍事的に極度の緊張状態が続いていた時代です。家康公の指示のもと、大坂との戦争に備えて工事を急ぎ、白亜の天守には大津城天守の骨組みを使うなどして、わずか2年足らずという短い期間で完成しました。
守るためにすみずみまで工夫を凝らした、彦根城の巧みな城づくり。中井さんの「ここだけは見逃せない!」 3つのポイントをご紹介します。
滋賀県立大学 名誉教授
中井均さん
いかに防御するか徹底的に追究した彦根城は、日本で一番構造がおもしろい城だと思います!
中井さんのおすすめポイント!
防御と外観の美しさを両立した「隠し狭間」
天守や天秤櫓の内壁にある三角・四角のへこみは、鉄砲や弓矢を放つための小窓「狭間」。非常時には鉄砲の先で突き破れるほど薄い壁を外側から覆い隠し、すっきり美しい外観に配慮している。
左右で積み方が違う!?天秤櫓の石垣
向かって右側が築城当時の「野面積み」、左側のきっちり積んだ石垣は幕末改修の「落とし積み」。
天秤櫓の壁に残る兵士を守る工夫
天秤櫓の内壁は外からの攻撃が貫通しないよう、人の身長の高さまでは壁が厚く、その上は薄く造られている。
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